ヴァリオ株式会社 代表取締役社長 利川邦浩氏 | |
生年月日 | 1974年1月13日 |
プロフィール | 大学卒業後、不動産会社に就職。27歳で退職。39歳でヴァリオ株式会社を設立する。阪神間を中心に、たこ焼、お好み焼のテイクアウト専門店「てこや」を展開。ほかに、イタリア料理店や、新業態でやきとりのテイクアウト専門店「とりすた」などを運営している。 |
主な業態 | 「てこや」「Ristorante e Bar Vario」「とりすた」 |
企業HP | http://vario.co.jp/ |
今回、ご登場いただいたヴァリオ株式会社、代表取締役社長、利川邦浩さんは1974年生まれ。東大阪市出身。男ばかりの4人兄弟。おじい様は地元大蓮の名士と言われていて、なんでも鉄工所、養鶏、建築、不動産と手広く事業をされていたそうだ。
ちなみに、これは父方の話で、母方のほうの祖父も輸入商社をされていたらしい。両家とも事業家一家である。
利川さんのターニングポイントは? と質問すると、その一つに高校時代が挙がった。
「中学は地元の公立です。高校は私学に進学するんですが、2年生に上がるタイミングで、向こうから辞めてくれ、と(笑)」。
<いろいろあったんですね?>いうと、「そうそう」と笑う。
「母親に相談すると、母は祖父に相談して、母方は頭がいい人ばっかりですから、『うちの家系から高校を卒業しないような人間をだすわけにはいかない』と一喝されて帰ってきます」。
もちろん、手ぶらではなかった。
「祖父はネットワークも広いですから、とある学校の理事長に連絡してくれて、裏技でその学校に2年から編入させていただきました」。
そのおかげで、退学勧告を受けた少年は、大学まで進んでいる。ただし、本州の、端の端の大学だったが。
「そこしか受からなかった」と、利川さんは笑う。試験日が4月、入学式は5月。雪がまだ大量に残っていた。
「これもターニングポイントですね。やんちゃ盛りの時に、大阪から離れられましたからね。刑務所に入るつもりで、青森に行きました」。
利川さんは、不自由な生活を強いられたようにいうが、当時、ハマっていたスノーボードでの写真には、満面の笑みの利川さんが映っている。
ちなみに、利川さんは大学でバイトをした記憶がないそう。バイトは、高校時代がはじめて。「カラオケです。ともだちの面接に付き添って行ったら、君も来なさいってことになって(笑)」。
「オーナーにむちゃくちゃ気にいってもらった」と利川さん。実際、1ヵ月後にはアルバイトながら店長に就任。言っておくが、高校2年生。「お客様からの評判もよかったですね。あの時くらいからサービス業が天職だとわかりはじめるんです」。
当時、カラオケがまだ少なかったこともあって、利川さんは、TVや雑誌のインタビューに受け答えしている。
大学を卒業した利川さんは、親戚が経営する不動産の会社に就職。ただし、27歳で退職している。
その後、兄の事業の経営に参画し、年商50億円の到達に寄与。のちに独立。
<独立は、39歳の時だとうかがっています>
「そうです。創業は2013年です」。
<社名のヴァリオというのは、どういう意味ですか?>
「イタリア語で、バリエーションという意味です。ひとつの業態だけで運営するのではなく、様々な業態を展開していくという私たちの想いを表しています」。
<イタリア料理店につづき、粉もんのテイクアウト専門店をスタートされています。これも、バリエーションの一つですか?>
「『てこや』ですね。私は長く飲食の仕事をしていますが、やはり関西人ですからね」。
<「てこや」は、大阪の主要な駅でみかけます>
「南大阪や東大阪、大阪市内、北摂、神戸や東京にも出店しています」。
駅があれば、そこが出店エリアとなる。ホームページで数えてみると50店舗(2024年6月現在)、つまり、50の駅前に、「てこや」があることになる。
メニューのページをひらくと、関西人には定番中の定番、「たこ焼」と「お好み焼」「焼そば」の御三家が現れる。なんでも、ソースは3年の月日をかけて開発したオリジナルソースということ。
たしかに、ソースは、粉もんの決め手。
「それだけじゃないんです。高級真だこを使用したたこ焼や、最上級一等粉を100%使用した極太麺の焼そばなど、素材に妥協はいっさいしていません」とのこと。
さらに、「それだけでもない」と利川さんは笑う。どういうことだろう。
「うちは、というより私自身ですかね。ここ数年で、今までにないようなアップデートをしています。改めてヴァリオ株式会社が存在していく為の理念をつよく打ち出しています。2030年までの中長期経営計画も立てました。現在420万円の社員平均年収を500万円に引き上げるというのもその一つです。公休日についての改革はもうスタートしていて、8日、10日、12日から選択できます」。たくさん稼ぎたい方は公休8日。プライベートを充実させたい方は公休12日と。給与のベースが高いからこそ成し得る働き方改革だ。
「すべてのステークホルダーを笑顔にしようと。もちろん、今までも従業員のことを判断軸の一つにしてきました。おかげで会社の中核メンバーたちも育ち、私をサポートしてくれています」。
「ただ、何より大事にしたいのは、アルバイトを含め、店舗ではたらいてくれているみんなの笑顔ですね。スタッフのみんなが笑顔で働ける。楽しく働ける。そんな環境を整備する為に臨店を重ねて現場の声を聴くように心がけています」。
平均年齢は37歳。既婚者も多いというのは、仕事と給与・待遇のバランスが取れている証。たしかに、食材へのこだわり、それだけではない。
「人がいちばん大事」と利川さんはいう。事業特性もあるだろう。でも、こちらもそれだけではない。利川という人は、とことん人が好きなのだ。
だから、いちばん辛い時はと聞くと、人が辞める時だという。「自分に何が足りなかったんだろう」と自己嫌悪になる時があるという。こんな思いをしたくないから従業員満足度の向上に一生懸命になれるそう。
「いらっしゃい」。駅前にでれば、たこ焼きのいい匂いが漂い、元気な掛け声が飛ぶ。どうしてだろう。関西人は、この匂いと、あの丸いビジュアルにめっぽう弱い。
だから、「てこや」をみつけるとついつい寄り道をしてしまう。
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