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第46回 株式会社APカンパニー 代表取締役社長 米山久氏
update 09/06/09
株式会社APカンパニー
米山久氏
株式会社APカンパニー 代表取締役社長 米山久氏
生年月日 1970年、東京都八王子市出身。
プロフィール 2001年にダーツバーを出店して飲食業に参入。
2004年、みやざき地頭鶏を使った「わが家」を出店し、2006年にはみやざき地頭鶏を自社で生産をする養鶏場も設立。業界の注目を一気に集める。
現在、地鶏専門店「じとっこ」、宮崎ご当地料理「塚田農場」など9業態36店を展開。
「外食アワード2008」を受賞した経営者としても有名。
主な業態 「じとっこ」「塚田農場」など
企業HP http://www.apcompany.jp/

“みやざき地頭鶏”を主軸に据えた業態など、9業態36店を展開

「ありきたりじゃつまらない!」を標榜し、昨年暮れに「外食アワード2008」を受賞した注目経営者が株式会社APカンパニーの米山久社長だ。飲食業界において斬新なビジネスモデルを構築した功績が称えられたのだ。
同社は現在、地鶏専門店「じとっこ」、宮崎ご当地料理「塚田農場」、ホルモン業態「関根精肉店」、活魚料理「魚米」など、関東を中心に9業態36店を展開している。中でも「じとっこ」や「塚田農場」などの3業態17店舗では、宮崎県の自社養鶏場で生産したみやざき地頭鶏を主力メニューにしている。
みやざき地頭鶏は宮崎県と鹿児島県を中心に生息していた天然記念物“地頭鶏”の血をひく銘柄地鶏。柔らかい肉質ながら適度に歯ごたえがあり、濃厚でジューシーな味わいが特徴だ。
同社米山氏は、みやざき地頭鶏を主軸に据えた目的を次のように話す。
「一般的に、名古屋コーチンや秋田比内地鶏などのような銘柄地鶏を飲食店で扱うと、客単価7000円以上の店になってしまいます。地鶏の原価が高いから当然のことです。でも当社では、そういった高品質の地鶏を客単価3500〜4000円というリーズナブルな価格で提供する店づくりに挑戦しました」。
同社は“本物の素材を安く”提供することにこそ、ビジネスのチャンスと企業の使命があると考え、さまざまな努力を重ねてきた。その歩みがアワードの受賞につながったのだ。


人を喜ばせるビジネスが飲食。生きがいを見つけた!

20代の頃からさまざまなビジネスを経営していた米山氏が飲食業に目覚めたのは、ちょうど30歳を過ぎた頃だった。
「単なる金儲けのためのビジネスではなく、自分にとってやりがいがあり、かつ、人のためになるようなビジネスをやりたかった。それを模索していた時に“これだ!”と思ったのが飲食ビジネスだった」と米山氏は振り返る。
米山氏は当時、不動産や販売代理店など複数の事業のうちの一つとして、出身地の東京・八王子で自身の趣味でもあるダーツバーを開店。お客が飲食やダーツを楽しみながら“人の輪”が自然に出来上がっていく様子を、米山氏はつぶさに観察していた。そしてお客の笑顔を見ながら、“飲食ビジネスは人を喜ばせることができる!”ということを心から実感したのである。それ以降、同社は飲食ビジネスに傾注していった。
ダイニング&ダーツバーの次に考えたビジネスが、前述のみやざき地頭鶏に特化した店だった。当時、業界ではデザイナーズレストランやいわゆる元気居酒屋が流行し始めており、米山氏は「みんなが同じ方向を向いている業界の中で、きっと違う“落としどころ”があるはずだ…」と模索。冒頭の「ありきたりじゃつまらない!」の経営理念が、真骨頂を発揮したのである。


“利他の精神”で奏功!宮崎県と農家が全面協力。

米山氏がみやざき地頭鶏に着目した当時、みやざき地頭鶏は大変希少なブランド鶏で高価であった。そのため「わが家」一号店を出店した当時は、原価率が50%もかかったという。
「そこで当社では、思い切って、宮崎県日南市に自社の養鶏場を設立しました。みやざき地頭鶏の生産から加工、飲食店での販売、卸しまで、一括して自社で管理することにしたのです。その結果、原価率を抑えることに成功し、客単価3800円の地鶏専門店を実現できるようになりました。それが現在では、店の大きな魅力になっています」と米山氏。
とはいえ、自社養鶏場を設立することは容易なことでない。米山氏は何度も宮崎の県庁関係者や農家の人々の元を訪れて、協力してくれるように交渉した。東京からの新参者に、地方の人々は最初は冷たかったが、最終的には、米山氏の熱意と行動力に周囲が納得したかたちとなった。そのポイントとなったのが米山社長の“利他の精神”である。


地方の第一次産業を活性化し、食糧問題の解決に貢献したい!

みやざき地頭鶏を自社で生産するには、宮崎県からのヒナの飼育の許可などが必要だった。同社ではみやざき地頭鶏を自社で生産し、東京でそれを売り込むことで、全国的にみやざき地頭鶏のブランド力を高めることを地元の人々に熱心に提案した。
「みやざき地頭鶏は貴重なブランド鶏です。しかし地方の生産農家では後継ぎ不足の問題で、生産体制が縮小化しているのです。地方を訪れて、農業や漁業など、第一次産業全体が衰退している現状を知りました」と話す米山氏。
そこで米山氏は、「“飲食店×養鶏場の経営”という新しいビジネスモデルを構築することで、みやざき地頭鶏の消費を拡大し、地方の農業を活性化させることにつながれば…」(米山氏)と考えたのだ。
自社の利益だけでなく、人のためになるビジネスを基本にした“利他の精神”を優先させた点が、業界関係者や生産者、県関連者などから多くの共感を呼んでいるのである。米山氏は「最終的には世界の食糧問題の解決にも貢献していきたい」と熱く語る。
こういった同社の一連の働きかけが影響し、実際、当初3軒しかなかったみやざき地頭鶏の生産農家は、現在は13軒まで増大。見事にみやざき地頭鶏の消費量を拡大させ、宮崎の生産農家の救世主的役割を果たしている。
受賞後、「社長はやはり、仕事熱心なのですか?」というマスコミからの問いかけに、「私の場合、仕事と遊びの境目はないです」と答えている米山氏。飲みに出かける時もつねに「面白いビジネスはないか」と考え、入浴中でさえも、アイデアが浮かべばすぐに防水メモ帳に書き留めるのだという。新しい価値を創造していくことに余念がない経営者なのだ。
同社は今後、2013年の株式上場を目指す。将来的には海外進出も果たす予定だ。今後の躍進がますます期待される注目企業なのである。

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