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第8回 株式会社シーエーフードサービス 代表取締役 前田穣氏
update 08/04/22
株式会社シーエーフードサービス
前田穣氏
株式会社シーエーフードサービス 代表取締役 前田穣氏
※2011年9月末現在 代表取締役 田代 章氏
生年月日 1970年、埼玉県生まれ。
プロフィール 大学卒業後、大手マンションデベロッパーに就職。1年後、上司の誘いで同業界の会社の立ち上げに参画。営業職にて会社を軌道に乗せ、経営企画室長に抜擢。わずか10年で東証1部上場企業へと導く。その後、現クリエイティブアルファ代表の田代氏と出会い、2005年4月に同社へ入社。同年6月に常務取締役に就任し、上場準備の総責任者として活躍。2007年8月(株)シーエーフードサービスの代表取締役として就任。
主な業態 「MAHANA」「ちゅらり「暖」など
企業HP http://www.cafs.jp/
ハワイアンダイニング「MAHANA(マハナ)」、琉球ダイニング「ちゅらり」、焼酎ダイニング「暖」、100種類の梅酒をそろえる「プラムガーデン梅椿」、豚料理専門店「豚火地(とんかち)」など、個性あふれる6業態36店舗を運営する(株)シーエーフードサービス。さまざまな飲食店を成功へと導いている前田穣社長は、物事をロジカルに突き詰めていく冷静沈着な敏腕経営者だ。

二つの「財産」を武器にして、“10年後も残る店作り”を目指す!

 創業からわずか4年で、都内を中心に6業態36店舗を展開する株式会社シーエーフードサービス。個性あふれる店舗を急速に展開し、成功へと導いてきたカギはどこにあるのか。前田穣社長は、二つの大きな「財産」がカギになっていると語る。
 まず一つ目の「財産」は、同社の経営母体であるクリエイティブアルファ・グループが内装施工業からスタートしたという点だ。店舗デザイン会社である「株式会社シーエーコマンドジー」と、内装施工業社である「株式会社シーエーリーディング」をグループ企業にもつ優位性が、飲食事業において極めて大きいことは言うまでもないだろう。店舗施工のコストを安く抑えたり、材質の向上や、細部への徹底したこだわりを強みにしているのだ。
 一方、もう一つの大きな「財産」が“クリエイティブな発想をスピーディーに実現させる若いエネルギー”。ちなみに同社のスタッフの平均年齢は28.3歳。同社が展開している6つのブランドは、どれも社員からアイデアを吸収して具現化したものだ。上からの押しつけ、いわゆるトップダウンではなく、社員一人ひとりの自由な発想を、組織が全面的にバックアップしていくのが同社のやり方だ。
 たとえ昨日入社したばかりの新人の企画でも、すぐにその内容が幹部の耳まで届けられ、翌日には何かしら動き出している。同社には「いつも自由な風土があり、社内はやる気ある人間で意気盛ん」(前田氏)なのだ。
 いつの時代も飲食業界は玉石混交である。いつか独立して自分の店を持ちたいと夢見る人が多くいる一方で、1年も経たないうちに廃業に追い込まれる飲食店の店主も多い。“水商売”とも表現される飲食店経営の危うさ、難しさを、デザイン・施工業時代から肌でしっかり感じてきた同社だからこそ、成功する飲食店のノウハウを蓄積することができた。現在は、業態開発から店舗の企画、設計・デザイン、施工、運営、人材サポート、営業までトータルで行なっている。
 店作りの方向性について前田社長は次のように語る。「当社が目指すのはスクラップ&ビルドを繰り返す店ではなく、10年後も残る店作り。店のコンセプト力だけで勝負し続けようとしても継続は難しい。コンセプト力だけで集客できるのは、オープンして2〜3年の間だけでしょう。その後も末長くお客様に来店していただくためには、他の魅力も必要なのです」。そのために同社は日々、鍛錬しているのだ。

数字で裏付けし、冷静に分析。ロジカル・シンキングで奏功!

 あらゆる業務を数字で把握しながらロジカルに遂行していくのも同社ならではの強みだ。それは前田社長が不動産業界出身であることにも起因している。数値管理の厳しい不動産業界で経歴を積んできた社長は、飲食業界に多いいわゆる“体育会系”の経営者とは一線を画す。すべての業務を客観的に、数字の裏づけをもとに冷静に分析するタイプなのだ。
 例えば、一般的に「サービスには笑顔が必要」と言われるが、「なぜ笑顔でなければダメなのか」、その理由を誰にでもわかるように説明できる人は少ない。「もっと元気に笑って!その方が店の雰囲気が良くなるから」などと雰囲気論に終始してしまうケースが目立つ。
 そんな中、同社では「君たちの時給はコンビ二よりも高いでしょ。だから勤務時間中は笑顔で接客する義務があるんですよ」と諭す。それにより質の違うサービスが求められていることを、整合性のあるロジックで明確に説明するのだ。
 飲食業界出身でないからこそ、前田社長にはお客やアルバイトの視点を維持できる長所もある。「僕は学生の頃、居酒屋でアルバイトをしていたんですが、当時は正直、給料がもらえればそれでいいという考えでした。お客様に喜んでいただこうという気持ちはそれほどなかったのです。もしあの時、店長から『笑顔でね』と注意されたとしても、『え?なんでですか?』と返事をしていたかもしれません。笑顔で一生懸命やっても、適当にやっても、時給は変わらないんですから」と社長は自身のバイト経験と重ね合わせる。
 メニュー開発についても同様で、ABC分析などを駆使してラインナップを決めている。例えばAランクの料理は“守り”の料理として残し、BやCランクの料理はその原因を徹底追及し、ブラッシュ・アップを繰り返しながら“攻め”の料理に変えていく。また季節メニューなどを投入し、お客の嗜好の変化に合わせたメニューづくりを心がけている。
 食材や価格、味付けなどについてもマーケティング手法を徹底させ、アンケート結果を分析したり、立地ごとや客層ごとの市場調査を分析して決めていく。そして施策の結果を必ず振り返り、効果を検証して、今後に生かすというサイクルなのだ。
 このように業界で異彩を放つ同社にはさまざまな人材が集まるが、スタッフの多面的な可能性を最大限に引き出すステージを用意しているのも特徴だ。例えば、入社後1年目には店舗運営のノウハウを学び、売上だけではなくバランスシートを理解しながら損益を熟知することができる。独立を考えている人にとっては高度なノウハウを習得できるのだ。
2年目には店長として店舗経営を実践してもらい、その後は希望ごとに本部でマネージメント業務に携わったり、フードコンサルタントとして店舗をプロデュースすることも可能だ。あるいは独自のコンセプト企画を生かして新店舗をオープンさせたり、これまでの能力や技術を活かして新規事業を立ち上げることもできる。
 「人材育成」を主眼にしている企業なので、同社の出店スピードは人材の育ち具合に左右される。「ハコを基準に考えて出店していくと、そのスピードに人材の育成や中身の成長が追いつかず、破綻してしまうこともあります。だからこそ、今後の当社の成長に必要なのが、一緒に当社を創り上げていく新しい人材なのです」。最後に前田社長は力強くこう語った。

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