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第94回 縁商事株式会社 代表取締役 イ キョンミン氏
update 10/01/12
縁商事株式会社
イ キョンミン氏
縁商事株式会社 代表取締役 イ キョンミン氏
生年月日 1976年韓国・済州島生まれ。
プロフィール 実家が飲食店を営んでいたことから、幼い頃から飲食業を肌で感じながら成長する。高校時代から本格的に庖丁を握りだし、22歳で料理学校に進む。その後、24歳で来日し、日本語を勉強しながら日本で「ホルモン・焼肉 縁」を出店。現在、都内に12店舗(FC店含む)を展開している。
主な業態 「ホルモン・焼肉 縁」
企業HP http://www.ensyouji.co.jp/
壺カルビ、壺ホルモン、壺ハラミ−−韓国でも人気の”壺メニュー”をいち早く日本に上陸させて話題となっているのが「ホルモン・焼肉 縁」だ。縁商事株式会社のイ氏は来日10年になる韓国人経営者。外国の地・日本で焼肉12店を繁盛に導いた手腕とは…。

注文の9割を占める3種の「壺メニュー」が人気!

「ホルモン・焼肉 縁」を都内に12店舗展開しているのが縁商事株式会社。2005年設立の飲食企業で、取締役のイ氏は済州島出身の韓国人である。来日したのは24歳の時。最初は日本語がまったく話せなかったというイ氏は、外国人経営者というハンデをチャンスに変えて、飲食店の経営で大成功を収めている人物である。
「ホルモン・焼肉 縁」の看板メニューは注文率が9割を超えるという「壺メニュー」。韓国ではおなじみの壺メニューではあるが、同店の場合、「つぼカルビ」580円だけではなく、「つぼハラミ」580円や「つぼホルモン」780円まで揃えて他店との差別化を図っているのが特徴だ。
中でも「つぼホルモン」780円は、30センチを超えるホルモン肉を秘伝の辛みそタレにじっくり漬け込み、マイルドな味わいととろけるような食感で女性客を中心に人気を獲得している。壺から肉を取り出してお客の目の前で豪快に焼いてみせる演出も魅力のひとつだ。
一方、調味料にもこだわり、たとえば塩は1kg2,800円もする広島産の藻塩を使用。ホルモンや正肉の旨味を最大限に引き出しているのだ。平均客単価は3000円。

一号店オープンの三ヶ月前に結婚!新しいことづくめの生活

イ氏の出身地、韓国・済州島は韓国半島の最南端に位置する火山島。年間約5,00万人の観光客が訪れる韓国でも有数のリゾートアイランドで、日本から一番近い海外のリゾート地である。
イ氏は大自然に囲まれた済州島でのびのびと育った。もともと実家が観光客を相手に飲食店を営んでいたので、幼少の頃から飲食という商売を肌で感じ、高校時代には自然と庖丁を握るようになっていたという。社長は4人兄弟の中の3番目。時には兄弟と競い合いながら、鍋料理や刺身盛りを作った。
「来日したのは24歳の時。最初はまったく日本語が話せませんでした。周りにも日本語を話せる人間がいなく、日本に来てからもしばらく韓国語を話していました」とイ氏は当時を懐かしく振り返る。 
22歳で済州島の料理学校に通いだし、その後、一念発起して来日。この頃から日本のフードサービス業界で成功したいという野望が、ふつふつと湧き上がっていたのかもしれない。
来日してしばらくすると、韓国語を話せる中国人の奥様(現代表取締役)と結婚した。27歳の時だった。驚くことは、結婚の3ヶ月前に一号店を出店したことである。仕事も家庭も、すべてが初体験。でもだからこそ、文字通り夫婦、二人三脚で、結束する体制を短期間のうちに整えることができた。

僕は外国人。”国籍よりも会社を見てもらおう”と頑張った

一号店は順風満帆とはいかなかった。オープンして数ヵ月後にはBSE騒動で業界が大混乱するという事態に直面したのだ。
「どこの肉屋を探しても正肉がなかった。肉が揃わなくては、店は開けられない。急遽、比較的簡単に仕入れができ、価格もいまより安かったホルモンに切り替え、ホルモン焼きの店に路線を変更しました」。来日して3年目、日本語の読み書きも完璧とはいかないイ氏だったが、それでも仕入先を探し求めて、全国を東奔西走した。
アルバイト時代にすし店で勤務していたノウハウを生かし、イ氏は、硬くて食べにくホルモンに細かく隠し庖丁を入れて、肉を食べやすいように工夫した。こういった独自のアレンジが奏功し、次々に消滅していく焼肉店が多い中で、同店は客離れを起こさずに生き残ってきたのである。
またイ氏の場合、外国人というハンディキャップもあった。「外国人に対する信用が得にくく、不動産取得などでは不利なことも多かった。だけど”国籍ではなく会社を見てもらおう”と思って、とにかく堅実な経営を心がけてきた」とイ氏。
実際、3号店となる西荻窪店はオープン1年目で売上げを2倍に増大させた。そういった躍進ぶりに、不動産関係者も銀行の投資担当者も、徐々に一目をおくようになってきたのである。

中国・韓国への出店も視野に入れたグローバル企業

今後は直営店を中心に「ホルモン・焼肉 縁」をさらに出店していく予定で、将来的には韓国や中国なども視野に入れたグローバルな展開を目指す。今期の年商は18億円を見込んでいる。
イ氏は韓国・済州島育ちで、来日10年になる外国人経営者。外国で起業することの難しさはもちろんあっただろう。しかし「仕事は大好き。だから頑張れる」と社長は満面の笑みを見せる。何があってもいつも前向き。そして心身ともに強靭。
外国人であることをハンディとするどころか、むしろチャンスと捉え、韓国スタイルの「壺メニュー」で大ヒットを飛ばしてきた。BSE騒動でも経営危機に陥ることさえなかった。そんなイ氏が将来を語ると、鋭い目線の奥にはキラリと輝くものがある。
今年秋には東京・巣鴨に海鮮ホルモンの新業態を出店させたばかり。今後の動向が非常に期待される企業である。

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