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第978回 株式会社ソムリエ 代表取締役 守川 敏氏
update 24/03/05
株式会社ソムリエ
守川 敏氏
株式会社ソムリエ 代表取締役 守川 敏氏
生年月日 1968年3月23日
プロフィール 山口県岩国市出身。日大理工学部中退。高校時代からアルバイトに明け暮れる。大学に進学し、ナイトビジネスに進む。27歳でオープンした「クラブチック」とともに、六本木で有名人となっていく。
主な業態 「さくら SAKURA」「六花 -rikka-」「ブーランジェリーラトリエデュパン」「ココアンジュ」「ワインショップソムリエ」
企業HP https://sommelier-wine.co.jp/

マンガ「六本木騎士ストーリー」の主人公。

「父親はエンジニア、母親は高校の教師」と、マンガ「六本木騎士ストーリー」の冒頭で、作者の弘兼憲史さんは主人公にそう言わせている。その主人公が、今回ご登場いただいた株式会社ソムリエ代表の守川さんだ。
「弘兼先生とはたまたまご縁があり、お願いしたところ快諾いただけたんです」と守川さん。守川さん自身、「まさか快諾いただけるとは思っていなかった」と笑う。
実は、弘兼さんと守川さんは、高校の先輩と後輩。学年は離れている。社会人になってから、校長先生の紹介で縁ができたそう。
作中、弘兼さんは、ある人物に「将来、この業界で、六本木の帝王になるかもしれん」と、語らせている。
では、「六本木騎士ストーリー」からはいったん離れ、いつも通り、守川さんを生い立ちから追いかけてみよう。六本木の夜が、リアルに浮かび上がる。

山口県岩国市。

守川さんは、1968年、山口県岩国市に生まれている。守川さん曰く、「米軍基地と、石油コンビナートの町」。父親は、石油コンビナートではたらくエンジニアだった。
岩国市は、山口県と広島県の境にある。年に1回、こどもの日に、米軍基地で子どもたちを招くイベントが行われたそうだ。守川さんも、ご両親に手をひかれ、航空ショーをみた。
青空は、少年時代の象徴だったのではないだろうか。
「小さな頃は、ごくふつうの少年です。小学校は野球、中学でバスケットボール。ただし、後者はタバコがみつかって、クビになってしまいました(笑)」。
ちなみに、中学から中・高一貫の有名な私立に通っている。タバコ1本で退部させられているから、校風がきびしかったのかもしれない。高校では教師の母が教鞭を取っていた。
「母がいる高校に進学するんですが、1年の2学期に、父の転勤があって、私たち一家は東京に移ります」。岩国と東京といえば、700キロメートル超、離れている。
「距離もそうですが、東京は、やっぱりちがう。高校生だって、ちゃんと仕事ができるんですから」。守川さんは、そういって目を細める。

16歳で新宿、17歳で六本木にデビュー。

転入したのは、都立調布南高校。
「ただ、学校には行ってない。もっぱらアルバイトです」。東京の高校に進んだ守川さんは、バイクが欲しくて、アルバイトを開始する。時給600円。「オープンの18時から、翌朝5時まではたらいた」と笑う。
16歳で新宿、17歳で六本木にデビューした。岩国では、タバコ1本で退部になったが、さすが東京はおおらかだ。無事、卒業。
もっとも高校は無事卒業したが、大学は3年で中退している。
「なんとか高校を卒業して、親戚のおばさんに諭されて、美容師になろうと決めるんですが、はたらいたその日にトンズラします(笑)」。
もちろん、許されるはずもない。だから、大学に行くといった。
「一浪して、なんとか日大の理工学部に進学することができました。偏差値36からですからね、相当、勉強したと思うんです」。
合格すれば、ミッション完了。「あとは、夜の世界へ、まっしぐらです(笑)」。
夜の世界を敬遠する人もいれば、ぎゃくに吸い寄せられる人もいる。
守川さんは、ネオンの下に吸い込まれた1人。
「私たちが大学生の時は、バブルに向かって日本が浮かれまくっていく頃です。私は、新宿の『ブスっ子くらぶ』でスカウトマン&ボーイとしてアルバイトを始めます」。
ネーミングが気になって、ググってみると、「ブスっ子くらぶ」はキャバクラのはしりだった。当時、女子大生がブランド化されていて、女子大生と話ができるというコンセプトが話題になったそう。「マスコミにも取り上げられた」と守川さんも言っている。
「私の仕事は、女の子のスカウトです。何も隠さず、スカウトしていったのがよかったのか、いい女の子が仕事をしてくれて、お店は大繁盛します」。
これが、1985年のこと。2年後の、1987年には、六本木の「わたりだこ」がオープン。守川さんは、弱冠21歳で、店長を務めることになる。

弱冠21歳、夜の六本木で、店長になる。

「オーナーに評価していただいて、店長に抜擢されます。でも、店長の仕事は、想像以上にたいへんでした」。
広い店内には、夜の街に選ばれた女性が、40人。統率することをイメージすると、「たいへん」という言葉がリアルな映像に置き換わる。
「当時は、六本木でいちばん繁盛していた」と、控えめな守川さんがいうくらいだから、これは事実だろう。守川さんの名も、六本木の世界に知れ渡る。
「名は多少、界隈で知れたと思います。ただ、毎日、なんらかのトラブルが起きる。そういう時代でしたし、それが六本木という街だったんでしょうね」。
客同士が揉める。
裏社会の人もいなくはない。
大人のシニカルな世界。芸能人も少なくない。お金がまかれれば、何かが動きだす。ケンカと、酒と女と。昼より明るい闇の世界の住人となった守川さんは、このあと、この街の主人公に、上り詰めていくことになる。
ここからの先の話は「六本木騎士ストーリー」を読んでいただいたほうがはるかにいいだろう。ただ、一つだけ。守川さんは、インタビューで、こうもらしている。
「ナイトビジネスを始めたきっかけはやはりお金です。父親がサラリーマンで、たいへんな思いをしていたので、サラリーマンにはなりたくないと思っていました。ただ、夜の仕事はいつかやめようと思っていました。でも、店長に抜擢いただいて、従業員もいるとなると、そう簡単には、さよならができません」。
一度、意を決して、大学に向かったことがある。
「もう一度、しっかりね、大学に行こうと、決意して。で、校門についてびっくりです。その日は、開校記念日でお休みだったんです(笑)」。
大学とは縁がなかったと、守川さん。校門で立ち尽くす、守川さんの姿を想像すると、笑ってばかりはいられない気がした。その日は、冬だったのだろうか、夏だったのだろうか。ネットに創立記念日は10月4日とあった。守川さんに取っては、夜の世界で生きると決めた記念日となる。

六本木騎士が描くもう一つの未来図。

さて、その後の話。1991年、バブルが崩壊し、「わたりだこ」が倒産。守川さんは、翌1992年、先輩と六本木で「スマイル」を立ち上げる。そして、1995年、「スマイル」をあとにして、「クラブチック」をオープンすることになる。
1996年、株式会社トウェンティーワンコミニティー設立。2000年、「Grand Cru(グランクリュ)」OPEN。2005年、銀座「クラブチック」OPEN。
「ワインにのめり込むようになるんですが、これはチックをオープンして1年くらい経った時に、ストリートバスケットで骨折してしまったことが原因です」。
だれが相手でも怯むこともなく、店に出つづけた守川さんも、さすがに怪我には勝てなかったようだ。「初めて、店を休んだ」と笑う。そして、ワインの味を知った。
インポートを通じて、有名な銘柄を仕入れ、自身も、ソムリエの資格を取得する。
リーマンショックを経て、自社ビルも手にする。
「ナイトビジネスで資本をつくり、不動産事業を開始した」と守川さんはいう。
「当時は、リーマンショックでファイナンスが受けられない状況だったのが、私たちには、幸いしました」。
キャッシュで購入した、という。
「それで手にしたのが、今の本社ビルです。料亭があったところで、ヒルズの裏通りですが、当時は、竹が生い茂っていたんです」。
今では、イメージもできない。骨組み以外、すべてリニューアル。エレベータも新しくしたそうだ。今は、本社ビルとなり、ワイン事業から直営のレストラン、ベーカリーショップ、パティスリーショップとワインと食の総合ビルとなっている。
「飲食は、ビルの価値をつくると私は思っています。だから、いっさい手を抜かずハイセンスな飲食店をつくりました。今後も、数を追いかけるつもりはなく、ロケーションまでかえてしまうような価値あるショップをつくっていきたいですね」。
飲食に関しては、新たな出店もオファー次第とのことだが、その一方で、加速させていく事業がある。ワイン事業だ。実は、2008年に日本一のインポーターをめざし、ワイン事業部を開設。翌年、楽天マーケットに出店。2018年には、大手インポーターを抜き、楽天市場「ショップオブザイヤー」を受賞している。
「不動産事業で、ナイトビジネス以外の事業をスタートさせました。そして、飲食店事業と同時に、ワイン事業を開始。今までのインポータとは異なり、輸入も、輸出も、BtoBも、BtoCもすべてカバーします。このワイン事業が、今後、私のビジネスの柱となっていきます」。
昨年、分社化し、ソムリエを設立。「4年後の株式上場をめざしている」と守川さんは、いう。これが、六本木騎士が今、描き始めたもう一つの未来図。青空がふたたび広がっている。

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