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第313回 ワタミ株式会社 代表取締役社長 兼
     ワタミフードサービス株式会社 代表取締役社長 桑原豊氏
update 12/09/11
ワタミ株式会社
桑原豊氏
ワタミ株式会社 代表取締役社長 兼
ワタミフードサービス株式会社 代表取締役社長 桑原豊氏
生年月日 1958年2月4日
プロフィール 1978年株式会社「すかいらーく」入社。23歳でエリアマネージャーに就任。1983年株式会社「藍屋」入社。藍屋の創業に携わり第1号店店長に就任。その後、生産部長、商品開発部長、営業部長を歴任し、1998年「ワタミフードサービス」株式会社(現ワタミ株式会社)に転職。同年、営業本部長、翌1999年常務取締役営業本部長に就任する。2004年ワタミダイレクトフランチャイズシステムズ株式会社、代表取締役社長COO就任。炭火焼だいにんぐ「わたみん家」を軌道に乗せ、2009年6月ワタミ株式会社、代表取締役社長に就任し、現在に至る。
主な業態 「和民」「坐・和民」「わたみん家」「ゴハン」「饗の屋」「旨い屋」「T.G.I.フライデーズ」など
企業HP http://www.watami.co.jp/
前回、お話を伺ったのは2008年のことなので、もうずいぶん経つ。にもかかわらずエネルギッシュなイメージは当時といささかもかわらない。体型も、学生時代とほぼ同じということだった。敢えて、変化を挙げれば責任の重さだろうか。今回は、グループを統括するワタミ株式会社の桑原豊社長に再度、「飲食の戦士」のお話を伺った。

炭火焼だいにんぐ「わたみん家」、起爆剤となる。

前回、お話を伺ったのは、桑原がまだグループ会社のワタミダイレクトフランチャイズシステムズ(株)の社長だった時のことである。ワタミ株式会社の社長となり、グループ全体を指揮されるいまとは立場がむろん異なる。
だが、当時からワタミの存亡をかけた戦いを指揮されていたのは間違いない。今回、改めてそのことを確信した。
「私がワタミダイレクトフランチャイズシステムズ(株)で指揮していた『わたみん家』には、二つの使命・役割があったんです。一つ目は居食屋「和民」に次ぐ業態・ブランドの確立、そしてもう一つが独立を希望するスタッフに対して、新たな道を示すことだったんです」。
現在、炭火焼だいにんぐ「わたみん家」は、200店舗を越え、オーナー店も約100店舗となり、その使命は十二分に果たしている。
「『和民』の後発のブランドですが、ある意味、ワタミのDNAをどこよりも引き継いだのが『わたみん家』でした。店舗スタッフも、ワタミらしくみんな元気だし、明るく、業態を立ち上げるのに皆一生懸命でした。こういう『和民』が失いかけていたかもしれない『ベンチャー精神』を今度は逆に移植しようということで、私が両方の会社をみるようになったんです」。
桑原がみていた「ワタミダイレクトフランチャイズシステムズ」と「ワタミフードサービス」が一つになり、既存ブランド「和民」が再び、勢いを取り戻していく。
その後、桑原はグループの統括会社であるワタミ株式会社の代表取締役社長に就任する。これが2009年6月のことである。
一方、「わたみん家」は、独立支援のパッケージとしても機能している。「独立には、資金と人と業態という3つのことが大事になります。私たちは資金も人も援助しません。ただし、業態はお譲りしていこうと。とはいえ、『和民』では少し大きすぎる。その点、『わたみん家』は、コンパクトですから資金も人も少なくて済む。そういう意味ではより独立しやすい道をつくれたと思っています」。
すでに独立組は100名を超え、現在、グループの120店舗が、それら独立オーナーによって運営されている。そういう意味ではこちらでも起爆剤の役割を十二分に果たしているといえるだろう。

立ち止まらない。これが桑原流。

桑原がワタミ株式会社の社長に就任してから、既存ブランドの活性化はもちろんのこと、新業態開発にも拍車がかかった。<ごちそう厨房「饗の屋(きょうのや)」><居食屋「炭旬」>もその一つだ。「饗の屋」は2009年11月に、「炭旬」は翌年4月に、それぞれ1号店をリリースしている。「立ち止まらない」。それが桑原流の経営だ。
主要ブランドである「和民」にも手を入れた。「『和民』は2012年で、1号店出店から20年になるんです。おかげさまでお客様からたくさんの支持をいただいてきました。それもあって、なかなか休んでまで改装ということはできなかったんです。しかし、20年が経ち『和民』というブランドの鮮度が落ちてきたのも事実です。それで、ロゴも内装も一気に刷新し、商品もより安全・安心・手づくり素材にこだわりました」。昨年度は、65店舗を改装。改装した店は、全店対前年10%以上のアップを実現している。今年度も80店の改装を予定しており、それが済むと全国から赤白の「和民」がすがたを消すそうだ。
昔からの馴染客の一人として言わせてもらえれば、少し寂しい気がしなくもない。実際、そういう声も届いているかもしれないが、桑原は笑ってこういうに違いない。「新しい『和民』に期待してください」と。そう、「和民」というブランドがいま新たに立ち上がろうとしているのだ。
「和民」と同様、「わたみん家」も今後の戦略ではコアとなるブランドだ。「こちらは首都圏を中心に、北海道から九州まで約220店舗を展開しています。首都圏では、もう9年経ちますから、こちらも手を加えていきます。以前、1000人のお客様にアンケートをしたんですが、そのなかで最も敷居が高いお店と思われていたのが「わたみん家」だったんです。実際に行った人のなかでは断トツで低価格店だったにもかかわらずです(笑)。ロゴのデザインや内装のリニューアルを視野に女性客を取り込んでいこうと。そういう挑戦をしていきます」。
それらのブランド以外でも業績が改善している。桑原が社長に就任してからは、Restaurant & American Bar「T.G.I.フライデーズ」も好調だ。舞浜の「イクスピアリ」のなかにもオープンした。「オープンして1ヵ月なんですが、実に好調ですね。全世界に1000店舗があるなかで、アジアで1番の売上は、品川の店舗なんです。その品川店の売り上げを抜くいきおいで繁盛していますので、かなり期待できると思っています」とのこと。
新業態に加え、既存ブランドも桑原の手によってどんどん蘇っている。では海外の事業はどうなのだろう。ワタミは海外へも積極的に進出しているから、こちらも気になるところである。

第四の柱に。

現在、ワタミは外食事業と介護事業、宅食事業を3つの柱にしているが、4つ目の柱として育ちそうなのが、この海外事業なのだという。成長著しいアジア圏を主なマーケットとして捉えている。「海外に出て2012年で10年です。どの地域も繁盛店が多く行列ができています。2008年からは進出地域の拡大、私達の強みであるチェーン化を本格的に展開するため、香港に現地法人を置き動きだしました」。現在、ワタミは香港を中心に、台湾、中国(上海・深セン・広州)、シンガポール、マレーシアに出店している。今年度中にフィリピン、来年度以降には、韓国・タイにも進出を検討している。
この海外展開で戦略のキーワードは「本物の日本食の提供」と理念を共有した「パートナーの存在」だそうだ。
「香港で『和民』は、日本の居酒屋としての利用と異なり、ハレの日にご利用いただいています。日本の感覚では単価3000〜4000円、アルコール比率は1%です。また、そのような環境の中で、『一人でも多くの方に出会い、ふれあい、安らぎの空間』を提供するために、大商圏型の『和民』の他、単価を20%下げたさらに利用しやすい『和亭』という業態を展開しています。現在、香港のみで実験している段階ですが、非常に好評です」。
現地で、日本の豊かな食文化を広げていくには、「和亭」が大きなカギとなるだろう。そのためには、たしかに大衆化というのもカギを握る気がする。
「海外ではFC展開も行っていこうと思っています。海外には、いくつものリスクもありますが、旺盛なアジアの発展を見過ごすわけにはいかないし、貢献もしていきたいと思っています」。

「おもしろくて仕方ない」。戦士の生き様。

社長に就任したいまも、桑原は店舗回りを怠らない。このインタビューも忙しい時間の合間に行われた。「先日も、北海道から中京。大阪…、と足を運びました。集中仕込みセンターの調印式にも参加をしました。私は物件の承認も行っているので、新店ができる際にも現地に出向きます」。それだけ聞いても超多忙なことは想像できる。ただ、桑原にとって、この現場回りは欠かすことができないイベントだ。
というのも、普段から現場をみていることで、数字の意味が良くわかるからである。つまり現場を知ったうえで、数字をみるとさまざまな問題も想像できるようになるのだ。単なる現場主義者ではない。だからそれ以上に現場の声を活かすこともできるのだろう。
視察の合間を縫って、試食も頻繁に行っている。
「1回あたり30品を試食するんです。他社の店にも良く行きます。食べるのが仕事という部分もありますからね」。いい意味で、公私の区別もつけられないそうだ。24時間、社長の顔と頭をしていなければいけないそうである。
それほど多忙にあるにも関わらず、体型も学生時代の状態のままだそうだ。社長として経営に取り組むおもしろさが、体にもいい影響を与えているのだという。
そういえば、インタビュー中なんども「おもしろい」という言葉が桑原の口から発せられた。
「おもしろくて仕方ない」。
「飲食の戦士」に共通する、そんな言葉がいまもなお桑原の頭のなかを駆け回っている。それは同時に、まだまだやるべきことがたくさんあることの裏返しなのかも知れない。
「おもしろくて仕方ない」と言い切れる戦士の生き様を改めて見習いたいと思った。

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