ゼットンという社名の由来は、漢字の組み合せ「food(舌)&drink(呑)」がベースにあります。ただ他にも理由があって、インパクトがあるとか、知り合いの外国人に聞いたら、多くの候補の中でもゼットンっていうのがアジアっぽいし美味しそう。と言われたのも理由のひとつです。最初、スタッフは嫌がってましたけどね(笑)

もちろん怪獣のゼットンも意識しました。絶対に倒れないウルトラマンを唯一倒した怪獣ですよね。既成概念を打ち破るっていう意味で、我々が飲食レストラン業界の中でそのような存在でありたいというコンセプトも含んでいます。

弊社はデザイン部門を持っていて同業他社のデザインも行っています。それはロゴだったり、メニューのコンセプトだったり。だから僕たちのライバルは同業では無いと思っていて、どこもベンチマークしていないんです。
 自分たちの価値はどこかと相対的に考えるのではなくて、絶対的価値判断なんです。つまり、生み出すことが大事だと考えています。
 一般の飲食業はマーケティングしすぎると思うんですよ。僕たちはそれを排除していてフィーリングを大切にしています。今、世の中がどうなっているのかっていうのは、感じてはいるけど数字で表したりしないんです。

また僕たちの場合は、同じ業種を横軸に広げるようなチェーン展開ではないんです。客単価400円のカフェから15,000円のレストランまで、幅広い縦軸も持っているマルチブランドなのが強みですね。

いわゆる「クリエイティブ力」が我々の強みです。

仕事でよく海外に行くんですけど、ロンドンのポンピドー美術館とか、パリのルーブル美術館、ニューヨークのMoMAなどのレストランはみんなカッコイイんです。でも日本の美術館のレストランって。。。
 公共にはたくさんの価値があります。だからこそ、多くの方に足を運んで欲しいと思っています。弊社のレストランやカフェが入ることによって、そこにある美術館や庭園にも人が集まるようになる。そんな集客施設となる事が目標です。

公共ビジネスの最初のきっかけは友達から誘われた「ランの館」(左の中央写真)のコンペに参加した事です。実際に行ってみてわかりましたが、公共施設への出店は大変で体力がいるんです。細かい法律の問題をクリアしないといけないし、お客様も公共施設という見方でいらっしゃいますから。
 だけど、その後の「徳川園」のレストラン(左の下写真)なども含め、お客様に喜んで頂いたり、公共施設にあるレストランから発したモノが、公共施設の価値に繋がっているっていうのは非常に感じていますね。

今後も公共ビジネスを含めて新規出店していくと思いますが、店舗数を増やすことを目標にしているわけではありません。自分たちのやるべき仕事を考えると海外戦略だと思っています。
 今はシドニーで「OCEAN ROOM」というレストランをやっていますが、昨日まで行っていたシンガポールであったり、いわゆるジェットラグが無く、時差が2〜3時間内の英語圏に、もっと日本の文化や日本のレストランを伝えることが出来たらいいなと思っているんです。またそれが出来るように、現在いろんな仕組みを作っているところです。

日本は今までマクドナルドなどのアメリカのフランチャイズビジネスを輸入していました。
 しかし、これからは元々日本にあったホスピタリティなどをしっかり確立させた上で、日本の食文化を輸出していく。それがこれからのレストランがやらなければいけない事。それを我々が中心となってやっていかなければならないと思っているので、序々にシフトしていくと思います。