最初のイメージはカタカナのガラクタを考えていました。だけど、いろいろ調べていたら、たまたま明治時代の冊子に「我楽多文庫」というのを発見。そこでピンと来ましたね!
 昔の話でもしながら、酒を飲んでいただくという単純な居酒屋をやりたかったので、そういう想いで命名しました。
 常に店づくりでのコンセプトは大切にしています。我楽多文庫の中でも、各店にサブタイトルがありますし、他の店舗にも意味があります。コンセプトや名前を考えるのは、新しい物を生み出すという意味で楽しいですね。 

うちの強みは、社員の一人一人の心の中にあると思っています。というのは、それぞれの得意な事が発揮できるような環境であることが、強みになっていて、それが社員はもちろん、お客様にとっても、いい事になり、最終的には会社にとってもいい事に繋がっていると思います。
 飲食店っていうのは、そんなに大きく儲かる商売ではないし、儲け過ぎはよくないと思うんです。自分を成長させる場所であり、極める場所です。それが結果的に強みになります。私自身60になっても、まだまだ勉強しなくちゃいけないと思っていますから。

NAGOMUは自分が勉強したいから作ったんです。講演会などに参加しても、話を聞くだけの一方通行だけで終わってしまう。それに比べて、NAGOMUの場合は、人と人との触れ合いがあるし、コンセプトもしっかりしています。自分たちで欲しいものがあれば、自分たちで作ればいい。という考えです。

最初は5人くらいで始めた会でしたが、実は意見交換していくうちに残ったのは2人だけなんです。
 自分の情報を他の人に教えるのはおかしい、隣の人はライバルだから共有するのはおかしい。そういう考えの人は残らないですね。かなり議論を重ねた結果、我々同士で戦ってもしょうがない、共に情報を出し合って業界全体のレベルを伸ばしたい。その結果、その考えに共感した方が残りました。

いろんな人がいるので、参加すると、もまれる事もあると思います。だけど、それも仕事のひとつだと思うんです。人づくりっていうのはどんな商売でも必要な事。常に自分も成長していかないといけないですよね。

今では皆さんが支えてくれて、非常にバランスがよく、若い人も、年配の人も勉強になっていて、すごくいいものになっています。こういう例は全国探してもないんじゃないかな。やろうとしている所はあるみたいだけど、なかなか理念をおのおのに落とすのは難しい事ですから。

NAGOMUに入って店舗を増やした方は、実際に多いんですよ。刺激もあるし、ひとりでやろうとすると10年かかるようなノウハウを教え合っていますからね。もちろん、情報を求めるだけの人は、相手から提供されない事もあります。あくまでも、お互いが情報交換して勉強している場ですので。

ここまで大きくなったのは僕がしたわけではなくて、会員の方みんなが大きくしたんです。僕自身もNAGOMUがあったからこそ、今の規模の会社に出来たと思っています。