外食・飲食業界をリードする企業の社長の生い立ちから生き様、独立までの軌跡を紹介するシリーズです。

　愛知県東海市に注目の店がある。友人からの紹介で知ったイタリアンレストラン『ノンナ・カコーレ』だ。｢ノンナ｣はイタリア語で“おばあちゃん”という意味。郊外の大型店で、平日のランチもディナーも連日行列。リーマンショック以降、売上前年比は113％、110％と2年連続で2ケタ成長し、現在も107％前後で推移している。
　12年前のオープン当初は年商2億円だったが、その後ごく近隣に飲食店が相次いで6店舗オープンしたことから、毎年10％ずつ売上ダウン。3年前には年商が半減するまでに至った。
　当時のオーナーが閉店まで考え始めた時、東京のイタリアンで修業していた次男が戻り、店の状態を一から検討。その結果、やれることはたくさんあると判断し、再建に取り組んだ。これが現在のオーナー店長、加古雅士さんである。
　彼は24歳の若さで、当時の愛知県の厳しい経済状況にもめげず着実に売上を伸ばし、年商1億5千万円までV字回復させた。一度低迷した店を建て直すのは難しい。すばらしい手腕だ。