私の30代indexへ
バックナンバー
バックナンバー
第50回 フーディーズ株式会社 代表取締役 睫霆喃兄

高級牛として知られる但馬牛を看板商品に、上質な肉質と丁寧で活気ある接客を徹底している焼肉店「傳々」。東京・月島で3店舗を展開する同店は、とりわけホルモンの旨い店として知られている。代表の睫霆喃兄瓩蓮⊃生裕蹐任睛名な神戸で生まれ育ったことから、「関西にあるような、老若男女に愛される地域密着の焼肉店を東京でも出店したい!」と考え、飲食経験ゼロからの焼肉店を開業した。素人ながら繁盛店を生み出せた睫雹瓩了訶世箸蓮帖

プロフィール

1975年、兵庫県神戸市生まれ。
中学、高校時代はラグビーに打ち込み、京都花園高校を卒業後、國學院大學経済学部経済学科を卒業。某大手家電メーカーに就職するも、自分の本当にやりたいことを追求すべく、約3年務めたのち退職。2002年、東京・月島に「cafe norme」をオープンし、飲食業界へ進出。2003年、かねてより念願だった焼肉店「焼肉酒家 傳々」をオープン。都内屈指の人気焼肉店に成長し、現在は「cafe norme」、「傳々」など3店舗を展開する。

リンク

http://foodies.co.jp/

睫霆喃兄 焼肉酒家 傳々
住所/東京都中央区月島3-13-1サンライズ濱田ビル2F
TEL/03-3536-0003
営業時間/17時〜翌3時(翌2時LO)
定休日/無休
27歳で独立開業。しかし最初は赤字続き…。
フーディーズ
焼肉店をはじめたきっかけは、私が大の焼き肉好きだったことと、ふるさと・神戸にある地域に密着した焼き肉店が慣れ親しんだ原風景として心に残っていたことが理由でしょう。大学から東京へ出てきましたが、やはり肉文化に関しては関西のほうが発達しているなという印象を受けました。

大学卒業後は某大手家電メーカーに就職しましたが、「自分が本当にやりたいことは何だ」と考えることが多くなり、3年をめどに退職しました。当初は2年くらい海外を放浪しながらゆっくり考えようと思っていたのですが、思いがけないタイミングで子供を授かり、これは自分で商売をしなければならないな!と。

もともと飲食業には興味があり、やるなら焼き肉店と思っていましたが、焼肉業態には開業コストがかかることも知っていました。なので、まずはコストをかけずに作れるお店からとオープンしたのが、1号店の「cafe norme」です。当時、月島にカフェがなかったことやカフェブームに後押しされて順調なスタートを切れ、翌年に念願の焼肉店「傳々」をオープンすることができました。

とは言え、潤沢にお金があったわけではないので、ロースターは入れずに卓上で焼くスタイルにしました。十分なダクト設備もなく、煙モクモクの店で(笑)、1年半は赤字続きでしたね。毎日、泣く泣く肉を捨てる日々が続きました。
地元客を大事にした地域密着型経営で繁盛店に。
フーディーズ2
当店では、但馬牛を筆頭に、『今美味しい旬な肉』をモットーに、松坂・前沢・米沢牛などのブランド牛や、日本各地より旬な肉を仕入れています(現在は、報道されている一連の放射能問題の影響により、暫定的に関西・九州産に絞っています)。

牛の個体にもよりますが、基本的に仕入れるのはA5ランク。ホルモン、タン、みすじはほとんどのお客様が注文する人気の部位ですが、実は焼き肉店にとって最も仕入れが難しい部分でもあります。今でこそ「ホルモンがおいしい店」と言っていただけるようになりましたが、開業当初は業者さんに「そういう希少部位は、(正)肉をたくさん買ってくれる店に売るものだ」と言われて売ってもらえなかったことも。そこで業者さんとの信頼関係が大事なのだと気付かされ、まずは繁盛店にならなければと思いました。ちなみにその業者さんとは、今ではメインで取引してもらっています。

また、開業当初からのこだわりが、“本当の意味での地域密着”でありたいということ。店主の顔が見える、アットホームな店にしたいと思っていました。私自身、現場にいることが好きなので、開業から毎日お店に立たない日はありません。毎日肉を焼いて、“どうしたらこの肉をもっともおいしく食べてもらえるか”といつも考えています。

だったら、お客様にもおいしい焼き方を教えてあげたほうがいいですよね。それぞれの部位でもっともおいしい焼き方を説明し、ときには焼いてあげるスタイルも、開業当初から変わらないことのひとつ。その分、従業員にはお客様を迎え入れる姿勢から、外まで出てお見送りするところまで、所作のひとつひとつを厳しく指導しています。それが個人店ならではのよさでもあると思っています。
商売は“三方よし”!“地域密着店”の新スタイルを目指して
実は「傳々」ブランドでの出店は、この3店舗で終わりかなと思っています。もともと多店舗化には興味がなく、地元のお客様あっての我々です。店舗を増やすより、お客様の満足度を高める方が重要です。今年1月には本店を全面リニューアルしたのですが、それはロースターの煙突が老朽化により油が付着し、火事のリスクがあると考えたから。安心して食べてもらえる店にするのはもちろん、せっかく食べるならきれいな空間がいいですよね。

今後は郊外の居抜き店舗を使って、その地域で本当に求められている“地域密着店”を作りたいなと思っています。今は不景気ということもあり、ファミレスなどの居抜き店舗の情報が物凄く入ってくるんです。これまで「傳々」でやってきたのは、人の魅力にお客様がつくお店。今後やろうとしているのは、雰囲気や価格、味などトータルで選ばれるお店。

今まで自分がこだわってきた現場主義を貫き、毎日の会話などからお客様と私共で創り上げていく、新しいスタイルの“顔の見える”地域密着店を目指しています。今はどうやって運営するか模索しているところですが、そこでキーワードになってくるのが、“三方よし”という考え方。

関西で、商売を成功させるのに大事な要素とされる言葉です。三方とは、“自分よし、お客様よし、世間よし”ということ。お店とお客様が満足しても、それが世間的にも認められなければ、息の長い商売はできません。個人店で得たノウハウを生かしながら、新しいタイプの飲食店を作っていきたいです!